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ヒーロー

第3章 "出会い"

【全国少年少女絵画コンクール
高校の部 金賞

2年 倉橋 叶斗

題 [希望への歌]
           】

今年の春に開かれたコンクールのときのものだ。

なんで彼女がこれを・・・。


「この絵描いたの君でしょ?」


「・・・なんで、わかったの・・・?」



「んー・・・直感!」


彼女が笑う。 周りがパッと明るくなるような笑顔。


―ドキンッ


「私、この絵描いた人をずっと探してたの。 感動しちゃったから。 こんなにすごい絵を高校生で描いちゃった人がいるんだって。 しかも、学校名はうちの高校じゃない? だから、よけいにね」


僕は、単純に嬉しかった。

僕の絵を見て、感動してくれたことに。

僕を探してたくれていたことに。


そんな人、今までいなかったから。


「・・・あ、あり、がとぅ・・・」


僕の擦れるような声に、彼女はニッコリ笑った。


「ね。 あたし、間宮紗綾っていうの。 よかったら、友達になって」


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