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ヒーロー

第3章 "出会い"

茜色の空は、藍色に染まりはじめていた。


冷たくなりはじめた風が、頬を撫でていく。


僕は家路につきながら、さっきの言葉を思い出していた。


「友達・・・かぁ・・・」


『あたしと友達になって』


僕は、その言葉だけでもすごく嬉しくて、泣きそうになって。 小さく頷くのが精一杯だった。


友達。


心が、軽くなっていく。 空も飛べてしまいそうな、そんな感覚。


『―あたし、間宮紗綾っていうの』



「・・・紗綾・・・かぁ・・・」


彼女の名前を、そっと口にする。


胸が少しきゅう、となった。


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