テキストサイズ

ヒーロー

第4章 勧誘

不意に、声がした。


・・・この声―


思わず振り返った。


「・・・紗綾・・・」


―ドキンッ


「あ、叶斗くん!」

紗綾が笑った。


『叶斗くん』


名前を呼ばれただけなのに、胸がありえないくらい高鳴った。


・・・なんなんだろう、昨日から。


「あれ? 叶斗くん、城川さんと何してるの?」

「城川さん・・・?」


紗綾が頷いて、彼を指差した。
・・・城川さんっていうのか、この人・・・。


「それよりだ、天才―」

「え、天才〜!?」


城川さんの言葉を遮り、紗綾が驚いた声を上げた。

城川さんが苛立たしげに地団駄を踏んだ。


「あーもー! 紗綾は黙っとけよ!」

「えー? 何の話ですかー、城川さん!」

「あのなぁ、俺は、こいつに話が・・・」



―キーンコーンカーンコーン


ストーリーメニュー

TOPTOPへ