
ヒーロー
第5章 決意
―昼休み。 僕が食堂で昼食を食べていると、城川さんがやってきた。
僕の向かいに座った。 なにやら紙切れを持っている。
「天才、心は決まったか。 さぁ、この紙にクラス、番号、名前を書け」
そう言って、とん、と入部届けをテーブルの上に置く。
「これ、本人が書いて、本人が提出しないとだめだって言われたわけ。 さぁ、早く書け、天才」
「・・・あの、僕、天才なんて名前じゃないんで・・・その呼び方、やめてください」
「あ? そーいや、名前聞いてなかったなぁ。 なんつーの?」
「カナくん!」
不意に、背後から聞きなれた声がした。 紗綾だ。
鼓動がはやまる。
「やっとわかりました、城川さん。 今朝の、カナくんに部活に入れって言ってたんですね」
そう言いながら、僕の隣に腰掛ける。 一瞬、肩が触れ合いそうになってドキンとした。
「あぁーあぁーそうだよ。 紗綾、お前はあっちに―」
「なんの部活なんですか?」
紗綾が城川さんを無視して続けた。
「・・・美術部」
城川さんがぼそりと呟くように言った。
「美術部? ないですよ、うちには」
「それがあ・る・の。 部員は俺だけだけどな。 それも、もうすぐ二人になる」
城川さんがVサインを出す。 いつのまにか僕が入る前提になってる。
「だ、だから城川さ―」
「いいえ、三人ですよ」
僕の向かいに座った。 なにやら紙切れを持っている。
「天才、心は決まったか。 さぁ、この紙にクラス、番号、名前を書け」
そう言って、とん、と入部届けをテーブルの上に置く。
「これ、本人が書いて、本人が提出しないとだめだって言われたわけ。 さぁ、早く書け、天才」
「・・・あの、僕、天才なんて名前じゃないんで・・・その呼び方、やめてください」
「あ? そーいや、名前聞いてなかったなぁ。 なんつーの?」
「カナくん!」
不意に、背後から聞きなれた声がした。 紗綾だ。
鼓動がはやまる。
「やっとわかりました、城川さん。 今朝の、カナくんに部活に入れって言ってたんですね」
そう言いながら、僕の隣に腰掛ける。 一瞬、肩が触れ合いそうになってドキンとした。
「あぁーあぁーそうだよ。 紗綾、お前はあっちに―」
「なんの部活なんですか?」
紗綾が城川さんを無視して続けた。
「・・・美術部」
城川さんがぼそりと呟くように言った。
「美術部? ないですよ、うちには」
「それがあ・る・の。 部員は俺だけだけどな。 それも、もうすぐ二人になる」
城川さんがVサインを出す。 いつのまにか僕が入る前提になってる。
「だ、だから城川さ―」
「いいえ、三人ですよ」
