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ヒーロー

第5章 決意

「よっす、やってるかぁって、佐々岡ぁ!? なんでここにいるんだよ!」


城川さんが佐々岡くんを見て大声を出した。 佐々岡くんはしれっとした顔で、

「お久しぶりです、城川さん! 3日ぶりですね」

「あ? そーかもな、ホラ! 一年は帰れ帰れ!」


城川さんが「シッシッ」と手を振った。

「あれ、そういえば、センパイたち何してるんですか?」

佐々岡くんが振り返って僕と紗綾を交互に見た。

「あたしたち、今日から美術部員なんだよ〜」


紗綾がニカッと笑いながら明るく答えた。


「・・・へぇ、美術部・・・」


佐々岡くんは意味ありげにそう呟き、何かを考えるように顎に指を当てた。


「ハァ? 佐々岡、お前も入りてぇとか言うんじゃねぇだろうな!」

城川さんが険しい表情で佐々岡くんを睨む。 ・・・ちょっと、怖い・・・。


「入ります!」


だが、佐々岡くんは城川さんに満面の笑みを浮かべてそう答えた・・・。


「はぁ〜!? なんでどんどん人が増えるんだよ!」


城川さんの絶叫が美術室に響き渡った・・・。


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