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気になるアイツ

第10章 文化祭の告白

ガチャッ

屋上のドアが開く音がして、梨江子が姿を表した。

「こんな所にいたんですか?」

「なんで…?藤島は?」

梨江子は俺の隣に腰を下ろした。

「帰りましたよ」

「えっ?」

「気まずいから、今日は帰るって…明日には普通に戻るからって言ってました」

「えーっと?意味わからないんですけど…」

「告白されて、お断りしました。以上」

断った…?

「何で!?」

驚いて俺は思わず梨江子の腕を掴んだ。

「何でと言われても…なぁー」

梨江子は掴んでいる俺の手に触れながら、そっと顔を寄せてきた。

軽く、触れるか触れないかのキス

「帰ろう、おにぃちゃん」

照れ隠しのように笑ってる梨江子の笑顔は、今まで見たことがないくらい可愛かった。



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