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どらくえ3

第4章 レーベ村

市場の近くに飲食店と宿が一緒になった店舗があった。

「御一行さん!食事も宿泊もいけますよ。どうですか?」

気の良さそうなおばさんが声を掛けてきた。

一階が食堂らしく、魚を焼くいいにおいがしている。
「ここだな。」

「ああ、間違いない。」

俺達の腹が鳴っている。

「じゃあ4人でお願いします」

「毎度あり。ゆっくりしてよ」

こうして俺達は久しぶりに作ってもらった食事にありついた。

メニューは、川魚の焼き物、山菜の揚げ物等、ムタイとイースはもちろんビールを飲んでいる。

「ぷはぁ!最高だぜ!」

「たまらんのぉ!」

リサも熱々の焼き魚を、ハフハフしながらがっついている。

野宿で焚き火を囲んでみんなで食事もいいが、やっぱり、安心してご飯が食べられるのは嬉しい。

各々、胃袋を満たして満足そうな顔だ。

「アベル、今夜はここに泊まるとして、食事の後はどうするんだ?」
イースが言った。
「うーん、長老を訪ねるのは明日にして、もう少し市場の様子を見てこようか。」
「そうか、なら俺はもう少しここで飲もうかな…。ムタイとリサは?」

「わしはイースに付き合おう。風呂にも浸かりたいしのう」

ムタイはすっかり顔が緩んでいる。

「わたしはアベルと一緒に行こうっと。またキャタピラーの子が見たい」

―リサ、まだ言うか…。

こうして俺とリサは市場に出掛けた。


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