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どらくえ3

第5章 レーベからいざないの洞窟へ

アベルの疑問を察したのか老人が続ける。

「ナジミの塔の鍵職人、レーベの長老は私の兄弟なのですよ。」

「いーっ?まじで?そう言えば似てるかも!?」

リサが話に割って入る。

老人はリサに笑いかけて、話を続ける。

「昨日、伝書鳩がナジミとレーベの兄達から手紙を届けて、アベル殿が来るのを教えてくれた。ついに勇者が旅立つ、と。」

ふふ、と老人はアベルを見て笑う。

「わしらは待っていた。アリアハンにおさまらず、世界に飛び出し、魔王と戦える勇者を。アベル殿ならきっとかなえてくれるでしょう。」

「オルテガは旅の扉を使わなかったのですか?」

「もちろん、あなたの父、オルテガは勇者として実力があった。だがオルテガが旅立ったときは、まだ大陸に向けて少ないながら連絡船があり、旅の扉を必要としなかったのです。」

「はーそうだったのね、ってアベル、あんたオルテガ様の息子だったの!?」

リサが驚く。

―オルテガ…様?

「なんで言わなかったのよっ?」

「いや、別に隠していたわけじゃないけど…」

「ふ、ふ~ん…ほんとなんだ…ふ~ん…」

リサの反応は何となくぎこちなかったが、それ以上は何も言わなかった。

ムタイもなぜかアベルの顔を眩しそうに見ていた。

「まあ、そういうことですから、今夜はここでゆっくりと休んで下さい。ベッドも用意してありますよ」

そう言うと、老人はまた優しく笑った。

「ありがとうございます」
アベル達は心から老人に礼を言った。

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