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どらくえ3

第6章 ほこらの夜に

食事を終えてしばらくしてから

「よし、やるか」

と言って、イースが暖炉の前から腰をあげてアベルを見る。

「おう」

アベルも返事をして剣を準備する。

「えー?あんた達、今日もするの?物好きねー」

リサが呆れたような、感心したような顔で言う。

アベルは毎晩、イースに剣の指導を受けて訓練している。

魔物との戦いであるため、人間相手とは違って型にはまった剣術が全て役立つとは言えない。

だが、太刀筋、剣撃の鋭さ強さ、受け流し方、体捌き等の基本的な力や技を訓練で高めることはできる。

実戦で応用するには基本が出来ていなければならない。

この点において、イースはアリアハン流剣術の上級者であるため、基本を習うには適任であった。

アベルとイースは剣を携えて外へ出た。

リサも老人に毛皮のローブを借りて外へ出る。

なんだかんだ言って、二人が剣の修行をしているのを見るのは楽しいのだ。

イースは少し体をのばしてから、言った。

「アベル、今日は俺と真剣勝負だ」

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