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どらくえ3

第6章 ほこらの夜に

「っはー!すごい勝負だったねー!」

リサが大きく息を吐き出して言う。

アベルは剣をおろしてその場にへたりこんだ。

―ぜえっ、ぜえっ、ごほっ
完全に息が上がって咳き込む始末だ。

「やるな、アベル。あの突きを破られたのは初めてだ。」

イースが頭をポリポリとかきながら言った。

「いや、必死で。よく覚えてない…あ~やばかった!死ぬかと思った」

アベルはそう言うと大の字になって寝転んだ。

「ほれ、水」

リサがアベルの横に座って、コップを差し出す。

「ああ、ありがとう、リサ。サービスいいな」

「今日はいいもん見せてもらったしねー、さっすがオルテガ様の息子だねー」

「なんか意味ありげだな?」

「ま、それはいいってことよ」

「意味わからん…」

そんなやり取りをイースは汗をぬぐって微笑ましく見ていた。

「おお~い!いつまでやっとるんじゃ?風呂がわいたぞい!」

ほこらからムタイの嬉しそうな声が聞こえた。

「は~いっ!一番風呂~っ!」

リサがほこらに駈けていった。

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