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切ない朝

第6章 このまま

また電車が減速してきた。
次の駅につくようだ。駅が視界に入り、さらに減速してゆっくりと電車は止まった。

昌子は少し、ほっとしたような残念なような不思議な気持ちを味わっていた。

痴漢の指は体から離れている。

人が降りて、また乗ってくるのを気配で感じていた。

押される。

つられて後ろの痴漢だった男も昌子の横にまで来た。

もう無理に首をねじらなくても見える位置。

昌子は改めて痴漢だった男を見た。

やっぱりかっこいい。

…こんなかっこいい人でも痴漢するんだ…

昌子は少し不思議な感じでその男を見た。

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