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切ない朝

第7章 もう少し

頭が、ぼうっとしている。

男の指は昌子のクリットに触れたままだ。

「いっちゃった?」

男がささやいてくる。

昌子は反応しない。

昌子は握っていた、男の性器を離す。
そして、クリットに添えられている男の手を押し戻した。

昌子は男の手から逃れるとスカートの乱れを直した。
男は少し不満そうだが、こちらも何も反応しない。

少しずつ、頭のもやもやが晴れてくる。
見える景色がゆっくりと現実感を取り戻してゆく。

電車の振動、暑い車内、身動きの出来ない車内と窓からの景色。

少しずつ、昌子は現実に戻ってゆく。

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