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「もう一つ聞きたいことがある。」
天照は首を回しながら言った。
「なんだ？なんでもいいぞ。」

僕は緊張を抑えるようにして聞いた。
「リチャード･ブラウンにしか使えない技について教えて欲しい。」

天照はじっと僕の目を見ると、真顔で話し始めた。
「簡単に言うと、時間を止めるってとこか？」

僕は驚きの声をあげた。
「時間を止める！？どういうこと？」

天照は空を見つめから応えた。
「今言えるのはそこまで。
じゃ、そろそろ御暇するよ。」

そう言うと季節はずれの桜吹雪と共に何処かへ消え去ってしまった。

わずか5秒後、ガサガサという音と共にラチェッタが薪を肩に抱えて林の中から帰ってきた。

空の月は薄く消えて、深い藍色の空に白い光が広がり始めていた。