
なんやかんやでモテる主人公
第12章 ありきたりな本音
『お嬢さん…よーく聞いててね?』
そう言われて、私は携帯を
ピタッと耳にくっつけてじっと待っていた。
~♪~♪♪
『聞こえた?』
『はい…っ……とっても…』
私の耳に入ってきた音は
オルゴールの優しい優しい音だった。
それは季節感がたっぷりな
″サンタが町にやってくる″
を奏でるオルゴールで
もうクリスマスなんだなって感じさせられる音だった。
『どうだった?たまたま、雑貨屋で見つけて、ついつい買っちゃったんだ』
いいでしょ?なんて言って笑う先生に
ますます会いたくなって…
『もう一度聞きたい…っ……です』
感動のあまり、敬語を使うのを忘れる私。
『サービスだよー?』
カチカチカチ‥
三回程…ネジを回すような音が
聞こえて胸がまた高まった。
