
あたしのご主人様!
第2章 ご主人様とピンクローター
あたしは慌てた。
「やだ……っ、なんで窓なんて!」
言いかけた瞬間、車が走り出す。
「あ、やあ……っ」
その振動でおもちゃが内壁をこする。
思わず洩れてしまった淫らな声が、窓から外に聞こえてしまうのが怖くてとっさに両手で口を覆った。
「ふぅっ」
涙目でシュウを睨むと、シュウはお得意の意地悪な笑みをあたしに向けてきた。
「だから、暑いから」
そんなわけない。今は十一月。暑いどころかすこぶる寒い。そもそも暖房つけてるくせに、暑いはずがないのだ。
抗議したいのに、あそこへの刺激が強すぎて、喋れない。
すでに下着はびしょびしょだった。いやらしい愛液が、止まることなく溢れ続ける。
おもちゃの振動は中途半端で、絶頂を迎えるまでにはいかない。無視するには強烈すぎて、ずっと焦らされているみたいだった。
せっかく気持ちよくしてくるなら、シュウの指がいい。自然とそんなことを思ってしまった自分が、恥ずかしい。
「やっぱり寒いか」
シュウは苦笑して窓を閉めた。
あたしの瞳からは、すでに生理的な涙が浮かんでいる。
