
あたしのご主人様!
第3章 ご主人様とピンクローター 2
「……おい、愛華。愛華」
名前を呼ばれながら頬を軽く叩かれ、あたしははっと瞼を開ける。
どうやら一瞬だけ、意識が飛んでいたらしい。いつの間にか中のおもちゃも止まっていた。
イったあとの倦怠感が体を襲い、のそのそと体を起こすと、シュウはティッシュであたしの口元を拭いてくれた。
「お疲れ」
それは口淫に対してなのか、それともおもちゃでのあれこれに対してなのか。
「……ホント変態なんだから」
「なあ」
何がなあなのか。完全に他人事のように言うシュウに、あたしは唇を尖らせる。
「中行くか」
「待ってよ、その前にこれ……」
あたしは股関を指差して、目でシュウに訴える。
「これって?」
「お、おもちゃ……」
口に出すのが恥ずかしくてつい語尾が小さくなった。
「ああ、動かしてほしいわけ?」
「違うってば!」
リモコンを手に取るシュウをあたしは腕を掴んで慌てて止めた。
「もう抜いてもいいでしょ……っ? こんなの入れて歩けないよっ」
だがシュウは、首を縦には振らない。
