
Memory of Night2
第4章 同居
宵は頭を起こしてそれを受け取った。
色がわずかに黄ばみ、年季が入っているのがわかる。
埃は綺麗に拭き取ってあった。
枕の代わりに腕を置き、そこに頭を乗せて体を横にする。見やすい体勢を整えてから、宵はアルバムをめくった。
最初のページに貼ってあったのは、生まれたばかりの赤ん坊を母親が抱いている写真だ。晃とその母親だろう。写真の横には細い黒ペンで日付が書き込まれている。
二枚目は赤ん坊がゆりかごの中で眠っている写真。その下には、哺乳瓶をくわえている写真もあった。
一ページに六枚、等間隔に貼られた晃の小さい頃の写真。どの写真にも、日付は必ず書き込まれていて、時々一文ほどの長さのコメントがあるものもあった。
アルバムを捲りながら、きっちり時間軸の整理された写真たちを眺めていると、自然と口元がほころぶ。
「へー、可愛いじゃん」
「だろ?」
自信ありげな晃の返答に、つい苦笑が洩れる。
だが、ふとあることに気づいてページを捲る手を止めた。ページを戻り、今まで見てきた写真たちを、再びぱらぱらと眺める。
