向かいのお兄さん
第25章 聞いて
「はい、せー…のっ」
直也の合図で、あたしは石を投げた
投げた石はパシャパシャッと、2回水面を跳ねた
『よっっっしゃああ!!』
何だかすっごい嬉しくて、つい声を張り上げてしまった
ダメだな、可愛いげも何もない
「やったじゃん」
『うん!!』
あたしはそれから、もう何度か石を投げた
直也も一緒に…でも直也の石は、余裕で水面に10回以上は足をつけた
『直也は…教えるの上手いね』
「そう?」
『うん、わかりやすいし…丁寧だし。
性格に似合わず』
「うっせー余計だ」
何となく投げ尽くすと、あたしたちはまた道を歩き出した