向かいのお兄さん
第25章 聞いて
もともと、公園に来た時間自体が遅かった
そのせいか、辺りはだんだん薄暗くなっていき
体はさらに冷え込んだ
「…寒いな」
『…うん』
今度は直也から…そしてあたしは直也が返しづらい返事をした
寒いな
なんて言われても、そこから話を膨らませられないな…と身を以って実感
『寒かったら…もう帰ろっか?』
「…もういいの?」
…よくないよ
『うん』
でも直也には
これ以上迷惑かけたくないから…
ああ、どうしよっかな
家まで送ってもらおうかな?
最後の最後に、わがまま聞いてもらって…
『車、戻ろ?』