向かいのお兄さん
第27章 結ばれたくて
「それで、いつ退院だって?」
和樹はりんごの皮をシャリシャリと向いていった
『…器用だね』
「兄弟いっぱいいますから」
剥き終えたりんごは、ポンポンッと四等分され
皿に乗せられた
「どっちも大したことないから、明後日には退院だってさ」
直也はそのうちのひとつを取り、りんごにかぶりついた
「うまい」
「そりゃ良かった…
それで、二人は同じ病室なわけ?」
『あたしは嫌って言ったんだよ?』
「これで夜は犯し放題だ」
『監視カメラつけてもらったから、まだ安心してるんだけどね』
「お前らほんとに好き合ってんの…?」