向かいのお兄さん
第30章 ありのままがいい
『まじ…お母さんありえない』
「何で?」
『お節介』
直也はあたしの部屋をキョロキョロと見回しながら
「そうか?」と言った
そしてあたしの化粧品が入ったカゴを見つけると、
中をあさりだした
「あったあった」
コットンとクレンジングを出し、
そのままあたしの顔を拭きはじめる
『なっ、なな何す…ぶへっ』
「じっとしろ」
あたしは顔をわしづかみにされながら、化粧を落とされていった
立ちっぱなしでしばらくすると、直也は手を離してくれた
「ほら、綺麗になった」
『…』
不機嫌な表情をやめないあたしに、直也はそっとキスをする
あたしは顔を少し上げて、無意識に直也の服を掴んだ