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向かいのお兄さん

第34章 何で



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「おう新人、どうしたんだ?びしょびしょじゃないか」



直也が更衣室で着替えているところに、他の従業員が声をかけてきた



直也は自分の姿を今一度見て、クスッと笑う




「ちょっと、お冷やこぼしちゃいました」




「マジか?鈍臭いなー」




従業員はからかうように笑ったあと、鞄を提げて更衣室を出ていった






…まぁ、美咲の汁なんだけどね


などと心の中で呟き、着替えを済ましたその直後





「直也、久しぶりだね」





そう呼ばれて振り返ると、茶髪の女が立っていた





「…えー…と…誰だっけ?」




「うわぁ、ひどい!!忘れちゃったわけ!?」






女は直也に近づくと、自分で自分を指差してみせた





「由紀だよ、由紀!!」




「…ゆき?
…あー、あんたか」








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