向かいのお兄さん
第34章 何で
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歓迎会は、あっという間にお開きになった
二次会もあるのかとソワソワしていたが、どうやらそれはないようだ
あたしは直也とまともにさよならも出来ないまま、自宅へと戻った
もう、日を越してしまった
『んー…眠い』
ベッドに潜り込み、その日のことを振り返る
印象的なことって…
うわ…直也とのエッチしか覚えてないよ
思わず上がってしまう口角を、必死に下げようと努める
でも、ダメだ
どうしても思い出しちゃうよ~
そんなお気楽な頭の中も
今となっては、羨ましいくらいなんだ
だって…
こんなことになるなんて
思ってもみなかったから…