テキストサイズ

向かいのお兄さん

第36章 どっち


―――――――――――




ガシャンとロッカーを閉める




今日の仕事は、もう終わりだ





着替えを終えると、かばんを担ごうと手にかける




そうして直也が更衣室を出ていこうとしたとき


ちょうどかっちゃんが入ってきた






「よっ、お疲れ」




「…お疲れー」




かっちゃんの声にもろくな反応も示さず、
直也はその場を通り過ぎようとする







「直也、聞いたぞー?」




「ん?」





かっちゃんは自分のロッカーを開けながら

直也の方に顔を向けた







「最近、美咲ちゃんのことほったらかしらしいじゃん」





「…」





「かわいそうになー、美咲ちゃん」





「…じゃあ俺、帰るから」












ストーリーメニュー

TOPTOPへ