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向かいのお兄さん

第37章 限界




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『直也』





次の日



あたしは仕事中の直也を、無理矢理引っ張って道端に連れてきた




直也の手は一瞬それを拒んだけれど

黙って素直についてきてくれた






『あのね…』






直也の方に向き直ると、あたしはつい俯いてしまった



これだけ間近で顔を見るのは、すごく久しぶりに感じる




だから変に照れてしまったんだ







「…何?」







少しその言葉が早口だったから、急いでいるのかと思った





『あの…由紀先輩と、付き合ってるの?』






「…」








何も



答えてくれない













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