 
向かいのお兄さん
第37章 限界
「は…?」
思わず声を出してしまい、自分で自分の口を塞いだ
美咲は
男に笑顔を向けて
家の中に入っていった
「…」
「直也、もう今日の仕事は終わりだってさー」
由紀が俺のそばに寄って、そう伝えた
俺は無視して
さっさと家に帰った
もちろん
由紀も後ろを
ついてきた
―――――――――――
自分の部屋に入るなり、荷物を床に叩きつけた
「…どうしたの?」
由紀は、少し肩をびくつかせながら
俺の顔色を窺う
「…」
抱きたい
「え、あ…///」
俺は由紀の腕を強引に引っ張って
正面から力任せに抱きしめた
「…直也///」
「…」
美咲を
抱きたい
 
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