
向かいのお兄さん
第44章 変態一号登場
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時刻は7:30
『うっしゃうっしゃ』
あたしは机に置いておいた紙袋を手にして、家を出た
外に出ると、吐く息が白いことに気づく
だけど…
『ノープロブレム』
街頭の明かりを頼りに道を進んでいき
見慣れたマンションのエレベーターに乗り込んだ
あたしが少し動くと、手にしている紙袋がガサガサと音を立てる
今から、やたらとドキドキしちゃうな…
落ち着けあたし
深呼吸しろ
エレベーターから出て、迷わずに進む
もちろんお分かりだろう
直也の部屋だ
『あ、しまった』
しかしあたしは、扉の前まで来て重大なことを思い出した
直也…まだ帰ってないから、鍵閉まったままか…
