
向かいのお兄さん
第44章 変態一号登場
その瞬間
ガンッ
ドカッ
ドサッ…
という音が耳に入った
続いてあたしは、ゆっくりと目隠しを外される
「よ」
『…あれ…?』
開いた視界に映ったのは、紛れも無く直也だった
直也はあたしの手を縛っていたタオルも解いた
あたしは肩を回しながら、直也の顔を見据える
『…なんかさっき、直也の声が…』
「ああ、こいつか」
直也が視線を送った先には、ひとりの男がベッドに突っ伏しているのがあった
『…』
赤み掛かった短髪
耳にはポツポツとピアスがついている
チャラけた印象を受けるその男は、頭を押さえながら顔を上げた
