
向かいのお兄さん
第44章 変態一号登場
『ん…?
じゃあさっき襲ってきたのって…』
「オレだよオレ~」
あたしの質問に、雅也さんが手を挙げた
『はああああ!!?』
「だって君、オレのことをずっと直也だと思ってたっしょ?
もう面白くてさ~」
雅也さんは腹を抱えて笑った
なんか…ウザいな
『見ず知らずのくせに何てことするんですか…!!』
「見ず知らずなんて関係ないよ?
可愛い女の子がいたら、襲っちゃうもん~」
『ありえない!!
サイテ…』
言いかけたところで
あたしは口をつぐんだ
ありえなくもないか…
直也だってそんな感じだもんね
「…で、どこまで襲われたって?
場合によっちゃ、こいつ海に沈めてくるから」
直也があたしの方を向く
「海だって~やだなぁ直也~、せっかく愛しのお兄さまが来てやったのに~」
雅也さんは、とりあえず笑っている
