
向かいのお兄さん
第47章 記憶にない記憶
『やだ…何これ…』
突然の事態に、頭が混乱する
『えっ…』
そして今度は、グンッと背中を引っ張られた
そのまま真っ逆さまに落ちていく
『いやああああああああああああ!!!!!』
ギュッと目をつむった
トンッと
地面に足をついた感覚がした
『…』
引っ張られも、落ちもしなくなったから
あたしはゆっくりと目を開いた
『…え?』
あたしが立っていた場所は、学校の教室だった
でも、どこの学校かはわからない
窓から見える景色から判断することも
出来ない
『…落ち着け、あたし…』
あたしはとりあえず、その教室をグルグルと回った
