
向かいのお兄さん
第47章 記憶にない記憶
『な…何よ…?』
不機嫌な顔して男の子を睨みつけると
男の子は意地悪そうに口元を上げた
「いやぁ、冗談を真に受けすぎだなぁって思って」
『…』
冗
談
か
い
『うっざ』
「騙される方が悪いんじゃん」
ああ…その、人をバカにした目…
直也にそっくりだ
『あんた…あたしの知り合いにそっくり』
「へー」
男の子は特に興味を示すでもなく、鞄に荷物を詰めていった
その中の教科書…
教科書の裏側に書いてあった文字に
目を持って行かれた
"神崎直也"
『え゙?』
