向かいのお兄さん
第47章 記憶にない記憶
『ちょぉおっとぉおおー!!??』
あたしは凄まじい勢いで、男の子の教科書を奪い取った
「おい、何してんだよ?」
男の子が嫌そうな顔を向けてくるが、それは無視
手にした教科書を上からも下からも見てみたけれど
やはりそこに書いてあるのは
"神崎直也"
の文字だった
『…』
同姓同名で…外見もここまで似てるなんて…
「返せよ」
男の子は、あたしから教科書を奪い返した
『あなた…直也って言うの…?』
「何だよ、悪いかよ」
この子を直也だと認めてしまって…
いいんでしょうか…?
『…直也…』
「いきなり呼び捨てかよ」
『…さっき言ってたあなたにそっくりな人も、直也って言うんだ…』
「ふうん」
直也君は、またもや興味なさ気に返事を返した
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