向かいのお兄さん
第49章 幼いお前
誰か人を探そうと思ったけれど
その人の気配がしない
どこか家に押しかければ…とも思ったが
何となく不気味に感じられた
「美咲ー…」
いない気はしたが
一応呼んでみる
しかし予想通り、何の返答もない
「…」
どーすっかな…
携帯は圏外だし、地図でも探すか…
と踵を返したところで、微かに泣き声が聞こえた
「…」
どうやら学校の敷地内から聞こえるようだ
気になった直也は、声のする方へと足を運んだ
―――
茂みに入っていくと、だんだん声が大きくなってきた
近づいている証拠だ
「あ…」
草村で、何やら派手な赤色がうごめいているのが目についた
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