
向かいのお兄さん
第49章 幼いお前
「美咲ちゃんは…この近くに住んでんの?」
『うん』
「…今、何年か知ってる?」
『6年生』
「いや、そうじゃなくて…」
俺はコホンと咳ばらいしてから、もう一度問い掛けた
「今は、2000何年?」
『…20××だよ』
「…」
もう、驚き呆れるほかない
この美咲って子が嘘をついてるようには見えないが
20××年とか…
過去の時代だとそうやすやす信じる訳にもいかない
でも…
「美咲ちゃん家の前に、お花屋さんある?」
『あるよ!!
前ね、いっぱいかざってあった!!』
それは佐藤造花店のことだろう
多分この子は
俺の知ってる美咲だ
