
向かいのお兄さん
第52章 わだかまり
雅也さんが家を出ていった後
あたしはキッチンを掃除した
明日のための準備も、一応しておくことにする
♪~
『あ…』
メールの着信音が、ポケットから小さく鳴った
小麦粉まみれの手を洗って携帯を開くと
直也からだった
〔来て〕
たったこれだけ
あたしは
〔うん(^O^)〕
と返し、キッチンを適当に片付けてから、直也の家に向かった
―――――
『直也ー、来たよー?』
扉に手をかけると、鍵は開いていた
多分、あたしが来るから開けておいてくれたんだ
『どうしたの?』
靴を脱いで少し行くと、直也が正面に立っていた
