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刑事とJK

第16章 過去





『くっ…』



ダン、ダンと
何発も撃ち続けたが、切れない



『くっそぉ!!』


爆弾に刻まれた時間は
止まらない



斉藤も拳銃を取り出した



『何してんだてめぇ!!』


「何ってこれを…」




『んなこといいから、さっさと小泉を追え!!
こいつはあたしが何とかする!!』



「なっ…んなことしてどうすんだよ!!?」


『どうするって、子供を助けるに決まってんだろ!!』


「もう鎖は切れねぇ!!
このままじゃお前死んじまうじゃねぇか!!」


『だからって子供を見捨てろっていうのか!?
それで自分が助かっても後味悪いだろうが!!』


「馬鹿野郎!!
オレはお前にいてほしいんだよ!!」



斉藤は村上の肩を掴んだ



『…///』



「死んだら、なんにもなんねぇだろぉ…」



弱々しい顔を見せる斉藤の胸を
村上はグーで叩いた



『何言ってんだ…
あたしはずっとここにいんだろ?』


村上は笑った



斉藤はそんな村上を見て、
下唇を強く噛んだ



「オレはお前に…」




『いつまでもぐだぐだ言ってんじゃねぇ!!
小泉を追え!!』



「…」



『てめぇは刑事だろ!!

行け、斉藤!!』




斉藤は歯を食いしばって上を向いた


そして後ろを向き、走り出した














『ありがとうな…斉藤』







―――――――――





1:17




『あの馬鹿のせいで時間食っちまったな…』



村上は今度は子供の足から鎖を取ろうとした



「いたいよぉ!!」


子供は泣きわめく


『ごめんね、ちょっと我慢してね…』


もう少しで…抜けそうなのに…



「いたいよぉ、いたいっヒック
…ああぁーん!!!」


子供の悲痛な声を聞くのは苦しい



『もう少し…』




その時、鎖が子供の足から抜けた



『やった!!』



村上は子供を抱えて走り出した



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