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刑事とJK

第16章 過去



――――――――――――


村上…


お前馬鹿だよ…



なんでオレを行かせたんだよ…!!



「風が…吹いてる」


一旦足を止めると
斉藤は2階に下り、小泉の後を追った



逃げ道確保のために
壁に爆弾で穴を開けたと言っていた…

風が吹いてくる方向に行けば
どこに行ったかわかる



正解だった


暗いデパートの中で、光が差し込んでいた


「そっちか…!!」



全力で走り、小泉の逃げる姿を遠くに見つけた


もうすでに小泉は屋根を伝って
外に出ていたのだった


「逃がすかイカレ野郎!!」



斉藤が外に足を踏み出した瞬間だった




ドオオォン!!!!!!


中からものすごい爆発音が聞こえた


「なっ…!!」


斉藤は足を止め、振り返った


そして引き返そうとしたが、
中からの爆風が斉藤を倒した



「ぐっ…!!」




飛ばされないように必死に地面にしがみつく















お前は刑事だろ…






いや、オレは刑事なんて器じゃねぇのかもしれねぇ…





犯人なんてどうでもいい



死んだら、何も残んねぇだろ…?





そうは思わなかったのかよ、村上?―――――















爆風が収まり、
斉藤はデパートの中へ飛び込んだ


3階へと駆け上がると

焼け焦げた匂いが鼻を突く






爆弾があった場所には何もない

辺りには瓦礫しか散らばっていなかった





必死に瓦礫を退け始める



爪が割れることも気にせず、
一心不乱に退けつづける








どこにいんだよ…



どこにいんだよ村上…















その時、瓦礫の下から覗いた足が見えた


血と一緒に…






「…村上…?」


斉藤はふらふらと
その瓦礫のもとへ歩いて行った



その足に手を伸ばそうとしたときだった




「斉藤刑事…!!」



外にいた警察が入って来たのだった



「刑事、まずは外に避難を!!」



2人の突入隊員が
斉藤の腕を掴む




「放せ…そこに村上がいんだ…放せよお!!!」



暴れる斉藤を
無理矢理外に連れ出した





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