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願わくば、いつまでもこのままで

第8章 変化









うっすらと

徐々にはっきりしてくる視界



園田と梶木が俺の顔を覗き込んでいた。




「……園田、梶木」


「泉!」


「陽!やっと起きたか」



2人が安堵するのを見て俺も安堵する。



ゆっくり身体を起こし室内を見渡した。


俺がのっているベッドに並んで数個ベッドが置いてあり、デスクと水道と瓶が入った棚、仄かに漂う薬の臭い……

……医務室か



時計を見ると、現在午後3時だということがわかる。



「俺は3時間も寝ていたのか…」


「心配したよ。
あんまり静かに寝るもんだから……」


「死んだと思った?」


「泉のドアホ」


「なんだと園田っ」



梶木と園田が2人で俺を見てクスクス笑う。

俺はなんだかよく分からないけど
2人が笑って明るくなったことが嬉しかった。





「で、陽。吐け」


「は?」



またもや真剣な面持ちになる2人。

俺はその表情に圧倒されながら、しどろもどろになってしまう。



「だから、今日の体調不良の原因を聞いてんのよ」



「え、いや
別に体調不良ってわけじゃ……」



「ないとは言わせないよ」



やばい、これはやばい!

このままじゃ逃げられない……というか、これは本当のこと言うまで2人とも引いてくれないかも…

梶木はまだしも園田が引くとは……ねえ。




「あー、いやただたんに寝不足なだけなんだけど」


「あ、陽嘘ついた」


「はぁ!?」


「陽ってわかりやすいよね
嘘つくときは目線外すからさ」


「おおっ、さっすが梶木!
さあ吐きなさい泉」


「うっ……」


「「さあ!」」



これは……も、限界



「わかった、わかったよ
……ちゃんと話すから」







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