
願わくば、いつまでもこのままで
第8章 変化
2人の急かす視線が少しだけ……いや、けっこうキツい
「えー、コホンッ」
張り詰めた空気が嫌でまずはリラックス。
でも2人の瞳から伝わってくる。
さっさと言え、阿呆って
「あのさ、笑ったりするなよ?」
「そんなことないから、早く」
くそ、急かすなよ〜
緊張する……なんでかは知らないけど
「えーと……実は最近俺は
ストーカー被害にあっているんです」
とても怖くて2人の反応が見れず、俺は言いながら俯いた。
今思えば男がストーカーにあってることが恥ずかしくて、どう思われるのか怖くて、こんなことを2人に相談しているのが情けなくて……
なんでかな
ちょっと、泣きそう
俯いていた視界に園田の手が入ってきた。
園田の手は膝におかれた俺の拳に被せられ、拳を解き、
包み込むように俺の手を握った。
顔をあげると園田と梶木が俺を一心に見つめている。何も言わずに。
ああ、俺はこんな友人を持っていたのか
「…助けてくれ……」
零れ落ちる涙は床に幾つかの痕を残した。
