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願わくば、いつまでもこのままで

第8章 変化



講義をサボり、自分のストーカー被害のことを説明した。

真剣に聴いてくれる2人のおかげか、話してみて幾分心が軽くなった。






そして、いつものように3人で帰る。


駅に着くと、3人それぞれの帰路に別れる。

俺は少し緊張していた。

そんな様子にも気づかず梶木は言う。




「それじゃあ、また明日。じゃあね」



「ばいばーい」



「あっ、待っ…て……」



俺はつい手を伸ばした。





2人から離れたくない
行かないでほしい






また



独りになってしまう







2人は俺を凝視した。
あっと我に返る。



待ってだなんて、2人には迷惑なだけ

独りになるのは、確かに怖いけど……




「いや、何でもない……じゃあな」




そう言ったのに、2人は動かない。

梶木がポリポリ首すじをかいた。




「あー、ごめん陽
忘れてたよ、さっき話したばかりなのに」




「独りは怖いんだっけ
家まで送ってくわよ」





笑顔で俺の隣に来る梶木と園田。


申し訳ないながらも、ホッと胸を撫で下ろした。












「チッ」







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