
あなたの為に背伸びして。
第1章 冷たくされるのは嫌い。
扉を開けた。
私を出迎える散らかった部屋。
あぁ、片付けなきゃ。
物を跨ぎふらふらとベッドの傍に来ると、ベッドに倒れ込んだ。重たい私の身体をベッドはギッと音を立てて受け止める。
そうだ、マキからメールが来てたんだっけ。
仰向けになって、ケータイを開いた。
ちょうど、読もうとしている所でエレベーターが来たんだっけ。
何となしにメールを開く。
差出人:マキ
タイトル:Re:
年末は実家に帰るわ
お前も帰るんだよな?
あぁ、そうだ。
年末の予定を聞いたんだっけ。
今年の年末は実家に帰るつもり。だけど家族はみんな旅行に行ってて私一人。
なんとも寂しい年末になるみたい。
野菜ジュースを一口飲み、私はふっと息をついた。
私が何故、旅行についていかなかったのかというと。
