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月夜に咲く

第3章 水無月 龍

龍の壁を殴る音以外に
音がした。

龍は手を止めて耳を澄ませた

足音が近づく、
龍の頭に一瞬よぎる
もしかして迎えに・・

「なわけねーか」
自傷気味に笑う、


足音が止まった、

小さい声が聞こえた、
「何してるの?」

見上げた龍は息するのも忘れたかのように
時が止まった、


見上げた先に
女の子が立っていたのだ、


それが、
龍と詩織の出会いだった。

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