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月夜に咲く

第4章 藤原 篤貴

中学生になる頃には
家には寄りつかなくなった。


篤貴もまた喧嘩に明け暮れ女を物のように
扱った。

久々に帰った家、
相変わらず香水臭い部屋
使用後のゴム、

そこに横たわる男女、
篤貴が入ってきたのに気づいた女は
冷めた目で篤貴を見る

「何しに帰って来たの?
 お金ならないよ!
 あんたなんて産まなきゃよかった
 あんたさえ居なければ
 私は幸せに暮らせてたのに!
 この…疫病神!」


パンッ!


「何が疫病神だ、
 だったら何で俺を産んだ!
 俺だってこんな家に
 産まれたくなんてなかった!」

二度とあんな家帰らない
俺は一人で生きてくんだ!


公園のベンチに座る篤貴、
ふと手を見たら震えてた、
初めて母親を叩いた
俺は今までの男達と同じことをしたんだ
最低だ!
あいつらも、俺も!


篤貴の足元に二つの陰がかかった、
見上げた篤貴の前には、



篤貴と
詩織と龍の出会いだった

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