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月夜に咲く

第4章 藤原 篤貴

そんなある日

男がパチンコで負けてイライラしていた
母親を殴る男を見て

「ママを叩くなッ!
 やめろ!」

篤貴が男の足に飛びつき噛んだ、

「チッ!
 何しやがる!」

ガッ
 ドガッ!

篤貴は殴られ蹴られて吹き飛ぶ、

そんな篤貴を母親は止めるでもなく
守でもなくただ見ていた。

「ま.…ま
 たす…けて…」

そんな篤貴の声も届かないのか

女は男と出て行った。


「ママ?
 どこに行くの?
 置いてかないで!」


どうして?
どうして、
僕を置いてくの?
もう僕はいらないの?

痛いよ、
ねぇ、痛いよ。

部屋に子供の泣き声が木霊した。

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