テキストサイズ

月夜に咲く

第6章 月嶋 詩織

詩織は母親を探す

母親は一点を見つめ何をするでもなく
座っていた。


「ママ?
 ねぇ…伊織が起きないよ
 頭から血が出てるよ!
 ママ!伊織を助けて!
 ねぇ!」

そんな詩織の声も届かないのか
反応しない。

詩織は外に出て隣の家のドアを叩いた
助けてっ!
伊織が!

その声で人が出てきた
中に入り何か叫んでた。

詩織はそれを遠く聞いていた

サイレンの音
警察が母親を連れて行く

詩織は伊織から離れなかった
連れて行かれる母親を
見ることもしなかった。


その後母親は幼児虐待で逮捕された。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ