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月夜に咲く

第6章 月嶋 詩織

息を切らし走り続けた詩織

まだあの人が帰ってませんように
伊織を打ってませんように、

そう祈りながら。


家に着いた詩織は玄関を開けた
目に入った母親の靴

遅かった、
伊織は叩かれてないかな?

そこで詩織は異変に気づいた
母親の怒鳴り声が聞こえない、
伊織の泣く声も聞こえない


部屋に入って真っ先に見たものは
頭から血を流し横たわる伊織だった。

「い…おり?
 ねぇ?伊織?
 目開けて?
 起きてよ!」

詩織がいくら呼びかけても
揺さぶっても伊織が目を覚ますことは
なかった。

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