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出会いの海岸

第1章 出会い

美幸「ええ、車の」
サンタ「そうや、早く帰って仕事いかなくちゃならんのや」
美幸「今更遅いんじゃない」
サンタ「そんなの分かってるわ。誰のせいでそうなってると思ってるんや。いいから早く出せ、車のキーを」
美幸は、車のキーらしきものを取り出して、サンタに預けるかのように見えたが、しかし、サンタの手をかすめるかのようにして、それを海に向かって投げた。
美幸「ああ」
サンタ「何がああや。お前なにすんねん」
美幸「だって、あれを渡したら、帰るんでしょ」
サンタ「もうゆるさんぞ。お前らの態度次第では、何もなかったことにしてやろうなんて思ったけど、そうはいかなくなった」
美幸「ええ、どうするの」
サンタ「警察や」
美幸「鍵は」
サンタ「うるさい。鍵を探したら、警察に行く」
美幸「無理だよ。海のなかなのに」
サンタ「これぐらいだったら探せる」
そういって、サンタは海に入っていった。確かに、すぐそこに投げたので、探せないことはなかったかもしれないが、まさか美幸も芸能人がいくら浅瀬だと入ってもこんなところで、鍵を探し始めるとは思っていなかった。

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