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散りゆく花びらと共に…

第5章 つかめそうでつかめない

ん…?
ここはどこ?

僕は何だかフワフワと浮いてるみたいだ。
とても淡い桜色の空間にいる。
でも、どうして?
頭痛いと思ったらこんなところに…
なんなんだろう?

なんだか眠くなってきた。

そう思ってうたた寝していたら…

『そーじ♪』

『うん!!総司のことだーい好きだもん♪』

『うん。約束…』

『いきなり何すんの!?///』

『か、可愛くない!!』

『そーじ!!』

『っ!!総司のバカ!!大っ嫌い!!!!!』

『ありがとっ♪』

『総司!!』

なにこれ…?
あまねだよね…
どうして?
なにか思い出せそうなのに…
思い出せない。

そんなことを考えていたら目の前にウサ公があった。
近寄っていくと、そこには桜の花がたくさん綺麗に咲いていた。

つかもうとしてみたけど、つかめない。
僕みたいだ。
あまねは僕と親しくなかったと言ってた。
だけど僕たちは絶対に親しかったはず。
僕の記憶がそう言ってる!!
あまねは僕となにかあったはず…
思い出したい!!
あまねのこと…
なのにどうしてさ?
どうして思い出せないんだろう?
もどかしいよ…

『私が総司のこと覚えてるからいいんだよ。』

そうか。
あまねは全部知ってるんだ。
つかめそうでつかめない。
もう少し。

フワッ!!

あ、もうちょっとだけ!!
もう少しあまねを、あまねの記憶を!!

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