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白い壁に一組の椅子と机。
壁には血の痕跡と思われるシミが飛び散っている。

「なんとも物騒なもんだな……。」

血の痕を見ながらポツリとつぶやく。
意識が戻っていきなり見た光景がこれじゃ少しくらい憂鬱になっても仕方ない。
そう自分に言い聞かせ、教室の出口に歩き出す。
ガラリと扉を開け、頭だけを覗かせ周囲を窺う。

見たところモンスターやプレイヤーの姿は見当たらない。
ひとまず動き出してみようと足を踏み出す。
まずは、一緒に巻き込まれたであろう渚を探そう。
そう決めた瞬間、

「……ッ！？」

目の前を何かが通り過ぎて行った。
…まずは現状の把握よりも身の安全の確保。
それを念頭に置き、刀を素早く抜く。
やはり、扱いずらい。
いままでずっと剣を使っていたため余計にそう思ってしまうのだろう。
扱えないことはないはずだと自分に言い聞かせあたりを見渡す。
……追撃があるだろうと思っていた前方からの攻撃はない。
ならば、まずは先ほどの何かを確認しようと視線だけを後方に向ける。