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ふわりと微風が頬をなでる。
目の前にはどこまでも続く草原と果てしなく広がる青い空。
点々と豊かな木が生えているのも見える。

そんな中私はひどく薄汚れた格好をしていた。
プログラム上のデータである私はただ敵と見なした者を嬲り、弄び、惨殺するだけの存在だ。
今はこうして精神の檻の中に閉じ込められているが宿主の前に敵が現れればまた姿を現すことになるだろう。

……私の名は『凪(なぎ)』。

固定スキル『不思議の国の殺人鬼(マジック　オブ　キラー)』により顕現する無慈悲な死神。

私の宿主の深い悲しみから生まれた悲哀の天使。

全てを停滞させ悲しみのない無慈悲な世界を創る。

それが私の存在目的であり、唯一の固定概念。

だから、私は殺す。

殺して、殺して、殺して、殺して、殺して殺して殺して、

この微風すらも…殺す。